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事業計画 2016年(平成28年)度 | 日本対がん協会

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公益財団法人 日本対がん協会

2016年3月10日 理事会承認

2016

年度

事業計画

はじめに

近年、国内では急速な高齢化の進行に伴い、がん患者が急増しており、協会 へのニーズや期待はますます高まっている。しかし、これに応える協会の財政

基盤は、公益財団法人化以降の2011~14年度の収支差額は合計で1億円近いマ

イナスという実績が示す通り、あまりに脆弱である。15 年度は個人からの大口

寄付などもあり、かなり持ち直す見通しだが、財政基盤の強化は不可欠だ。16

年度は企業への寄付依頼に一層力を入れるとともに、協会の弱点である個人寄 付、マンスリーサポーター拡大に注力したい。

重点事業としては、新規にがん検診部門を設ける。全国の協会グループ支部

で受けている年間延べ約1100万人のがん検診データを生かして、今後のがん予

防、がん検診のあり方を考えていきたい。また、10 周年を迎えるリレー・フォ

ー・ライフや様々な啓発活動、学習指導要領に近く盛り込まれる予定のがん教 育、さらに相談事業やセミナー開催によるがん患者支援、海外奨学医制度など の専門家支援、がん患者就労支援にも重点を置く。これらの活動を進めるにあ たってはグループ支部との連携を重視する。

公1事業 がん知識・がん予防の普及啓発活動

【ピンクリボンフェスティバル】

16年度でスタートから14年目となるピンクリボンフェスティバルは、東京で

スマイルウオークとシンポジウムを10月に開催し、乳がんの早期発見、早期治

療の大切さを伝える。

スマイルウオークは、日本橋、丸の内、表参道の3コースで実施。定員は4500

人。乳がん専門医によるトークショーで、乳がんについての正しい知識や検診 の受け方などを伝える。会場にマンモグラフィー検診車を配備し、無料検診も 実施。シンポジウムは、乳がん専門医が最新治療情報の提供するほか、精神腫

瘍医による心のケアについての講演などもプログラムに盛り込む。定員750人。

なお、4月末の企業協賛の状況により、神戸と仙台でもスマイルウオークを開催

(2)

あったピンクリボンデザイン大賞を開催。5月の母の日から啓発ポスターのデザ

インとコピーを募集する。10月 1日には入賞作品を発表し、デザインのグラン

プリ作品は「メッセージポスター」として交通広告などに活用する。

14年の乳がんによる死亡数は 13,240人で増加傾向が続いている。「乳がんは

他人事」と考える人々に、実際に検診に足を運んでもらうように訴える。

【リレー・フォー・ライフ(RFL)・ジャパン】

16 年度は新たに苫小牧、高松、山口でリレーイベントを開くほか、2 カ所で

も新規開催を検討している。一方、15 年度に実施した鹿児島が中止になり、差

し引き 51 カ所での開催となる見通し。「がん征圧と患者支援」を目的とする活

動は着実に増えており、民間や医療関係者の注目度も年々高まっている。活動 を支える各地のボランティアによる実行委員会とのコニュニケーションは欠か せない。協会代理人としての活動するスタッフパートナー制度を昨年度設け、

東海地方で2人委任したが、16年度は中四国地方でも1人委任する。

16年度、RFLジャパンは 10周年を迎える。① 参加者、実行委員などのボ

ランティア、支援企業・団体と共に過去の10年間を思い起こし<Remember> ②

共に生きてきたことを讃えて祝う <Celebrate> ③患者支援に加え、未来のが

ん医療支援を見据えてRFLを展開する<Fight Back>、というRFLの三つの

テーマに沿って、4月に東京で記念イベントを開く。各地ではリレーイベントの

際に10周年を掲げて盛り上げを図る。10周年の広報活動によりRFLの認知度

をさらに高める。

寄付金の使い道については、既存の4事業(がん専門医の育成・がん無料電 話相談・検診受診率向上・プロジェクト未来=がん研究助成)の拡充のほか、 各実行委員会からの要望を精査し、がん征圧に適切な事業を計画する。

【ほほえみ基金の活用】

協会オリジナルのがん検診無料クーポン券の発行事業を継続する。対象は乳

がん、子宮頸がんのほか、女性死亡者数 1 位の大腸がんも試験的に首都圏に限

定して発行する。患者向けセミナーも年6回程度開催する。最新の医療情報や 美容をテーマにするが、プログラムのブラッシュアップや医療従事者の参加な ども検討する。基金の一部はピンクリボンフェスティバルやがん関連団体助成 (公2)、がん相談(公3)、乳がんリスク層別化研究事業(公4)にも充当す る。

【がん教育基金の活用】

(3)

科学省は近い将来、学習指導要領にがん教育を盛り込むとみられる。16年度は、

がん教育の副教材作成に重点を置く。協会では既に「がんちゃんの冒険」など2

種類の動画副教材を作っているが、全面的な改訂版を作り、文部科学省推奨を 得られるように同省に申請する。この動画副教材はDVD化するとともに、協 会ホームページ(HP)からダウンロードしたり、スマートフォンでも見られ るようにしたりする。テキストの小冊子も作る予定。このほか「がん教育をど うやって教えればよいのか」という問い合わせが各地の学校現場からあるため、 教諭向けの指導案、学校医向け指導案の作成を検討する。

禁煙教育については、朝日学生新聞社と共同で14年度から小学生と保護者向

けの健康教室を開いている。この講演内容をDVDにして、HP上でも視聴可 能にする。このほか、社会人向けのがん対策やがん患者就労支援に役立つ小冊 子を作って、HPからダウンロードできるような仕組みも検討する。

【啓発セミナー】

① 全国巡回がんセミナー

がん検診の重要性を伝える全国巡回がんセミナーを実施する。希望する支部 2カ所での開催を見込む。

② 遺贈セミナー

協会への遺贈は増加傾向にあり、多額の場合も少なくない。信託銀行の協力 を得て、東京と大阪の2会場で、がん啓発を軸にした「遺贈セミナー」を開く。

【がん征圧月間と全国大会】

協会の提唱による「がん征圧月間」(9月)の中心イベントとなる「がん征圧

全国大会」を9月9日、京都で開催する。京都は1980年以来、36年ぶりの全国

大会開催となる。「がん征圧ポスター」は若者へのがん啓発を目的として、学生

を対象にしたデザインコンテストによって制作している。4回目となる今回から

は、対象を高校生にも広げ、より幅広い層への訴求を目指す。優秀賞受賞者は 全国大会に招待し、表彰する。

【国際対がん連合(UICC)日本委員会と連携した活動】

UICCの活動に引き続き協力する。10月にパリで開かれる「世界がん会議」

には垣添会長が出席する。UICCが定めた世界対がんデー(2月4日)に合わ

せて17年2月、UICC日本委員会と共にシンポジウムを開く。

【情報発信】

(4)

や、協会独自のがん研究の成果の発信や提言、全国各地で実施している対がん 協会の活動のレポートなど一層の内容充実を図る。ホームページ(HP)につ いては、閲読者の関心が高いがん教育ページのリニューアルを行うとともに、 リーフレットや冊子など協会制作物が一覧できるページを新設。協会制作DV Dのビデオライブラリー化も順次推進する。スマートフォン用HPの改善、コ ンテンツの充実も図る。

新たに「寄付者データベース」を構築する。協会に寄付して頂いた方や、各 種イベント参加者、セミナー参加者のデータを、本人の許諾を得たうえでデー タベースに登録。登録者には協会から随時、参加したイベント別にメールマガ ジンを送るなどして、情報発信する。また、がん患者や支援者に会員になって 頂き、協会からの情報発信ができるようなクラブ組織も検討する。

【がん検診実施状況】

協会グループ支部が実施しているがん検診の結果をまとめた「2016 年度版が

ん検診年次報告」を作る。15年度に実施したがん検診の結果と、14年度に実施

したがん検診でがんが見つかった人の治療状況や病気などを 1 年間フォローア

ップした調査結果からなる。15 年度版から、5 歳刻みでの年代別受診者数と検

診結果のデータも盛り込んでいる。

【子宮頸がん検診の未受診者対策】

米国や豪州の 2 倍という子宮頸がん死亡率を少しでも引き下げるべく、医師

のいない地域での検診機会増加を図るため、自己採取HPV検査の有用性を検 討する研究事業などを行う。

公2事業 専門家・専門団体向けの支援事業

【将来の検診を考える研究】

協会内に新たに検診部門を設ける。がん罹患状況や、厚生労働省のがん検診 の指針が変わったことから、協会としても将来の検診のあり方を研究する。

初年度は、厚生労働省の補助事業「わが国におけるがんの予防と検診の新た

なあり方に関する研究」(主任研究者=津金昌一郎・国立がん研究センター社会

と健康研究センター長)の分担研究として、「現場の実態に基づく検診のあり方

に関する研究」(分担研究者=垣添忠生会長)をスタートさせる。

(5)

や生活習慣などの変化に伴うがん罹患の予測に加え、グループ支部の実施する

年間約1100万人のがん検診データを分析し、検討する。

【助成】

① 奨学制度、研究助成

若手医師の海外研修として定着してきた米国テキサス大学MDアンダーソン がんセンター(2人)と、新たにシカゴ大学医学部(1人)での1年間の研修 を実施する。米国の研究助成に加え、帰国後の奨学制度経験者のネットワーク を構築してサポートする。

5 年目となるがん研究助成「プロジェクト未来」は、16 年度も応募内容を精

査しながら実施する。研究内容をホームページで公開したことにより、がん医 療の進化を求める支援者からの応援ムードが高まっている。

いずれもリレー・フォー・ライフ・ジャパンの寄付金をもとに行う。

② がん関連団体への助成

患者団体や啓発団体が実施する予防・啓発や患者支援の大型イベントに対し

て、費用の一部を審査して助成しているが、16 年度も引き続き、対象や内容を

精査して実施する。

【研修】

1~3月に、検診事業を支える保健師、看護師、放射線技師などの専門職を 対象にした乳房超音波技術講習会、保健師・看護師研修会を開催する。結核予

防会と共催する診療放射線技師研修会は、震災 5 年となる仙台での開催を検討

している。いずれの研修会も受講者の募集は、各支部ばかりでなく一般からも 行う。マンモグラフィー撮影技術講習会はひとまず中止する。支部関係者から の申し込みが一段落し、ニーズへの対応が一巡したと判断した。

【表彰】

がん征圧に顕著な功績のあった個人・団体に対して「日本対がん協会賞」、特

別賞の「朝日がん大賞」を贈呈し、9月のがん征圧全国大会で表彰する。

公3事業 がん患者サポート事業

【がん相談】

(6)

看護師、社会福祉士など17人でローテーションを組み、祝日、年末年始を除

く毎日、相談に応じている。15年度の相談件数は1万 1千件を超え、過去最高

となる見込み。芸能人などの著名人ががんに罹患したり、がん10年生存率の話

題がマスコミで取り上げられたりすると、相談件数は一気に多くなる。16 年度

も15年度と同じ体制で臨む。

② がん専門医による医師相談

医師による無料相談は他に例が少なく、各部位ごとにベテランのがん専門医9

人が担当している。16 年度は電話を中心に展開し、面接と合わせると年間 200

回、延べ900人の相談を見込む。

③ 乳がん電話相談

5月の母の日に「専門医による乳がんの無料電話相談」を実施する。1週間を

選んで相談週間とし、乳腺の専門医が40人ほどの患者の相談に応じる。

【患者向けセミナー】

① 患者のための美容セミナー

ほほえみ基金事業の一環として、女性に特有のがんの患者を対象に、治療が 原因で生じる美容の悩みに応えるセミナーを年6回開催する。資生堂、カネカ などの協力。これまで顔や手などの色素沈着をカバーするメイクアップや、脱 毛にスポットを当てたウイッグ体験もできるセミナーなどをしてきた。こうい った蓄積をもとにセミナー内容を充実させる。

② サバイバー向けセミナー

乳がん患者に向けた「最新医療に関するセミナー」など、患者向けセミナー を複数回開催する予定。

公4事業 がん研究支援事業

【がん研究の成果等普及啓発事業及びがん医療均てん化推進事業】

厚生労働省の新たながん研究戦略に基づいた「がん対策推進総合研究推進事

業」の委託を受けた事業。16年度で3年目を迎える。

厚生労働科学研究(がん政策研究)に研究課題が採択された研究代表者と研

究分担者が、その成果を「一般に分かりやすく伝える」「関連分野の専門家・が

ん医療従事者に解説して医療水準の地域間格差をなくす」という二つの目的の ために、各地で開催する発表会と研修会をサポートするもの。

また研究代表者が成果を発表する「厚生労働科学研究 がん政策研究成果発

(7)

ムページに掲載し、最新のがん研究について案内する。

【乳がんリスク層別化研究事業】

がんの発症リスク層別化は欧米でも注目され、欧州では乳がんを対象に大規

模研究が着手されている。16 年度はいくつかのグループ支部の協力を得て、乳

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